第15章 誘われた夜
「あの…私変な事言っちゃいましたよね…すみません…」
「「いや、変な事じゃない。」
そうグレイの言葉を聞いて黙ってしまった雅。それでも嬉しそうにグレイトフィルは話している。
「ま、どういうことだからよ」
「どういうことだって…」
「まぁ?加賀の事を見た目の派手さもあって好きだっていう子は結構いるってのは事実だけど」
「その派手さが変な噂ばらまくんだからよ、つか、…」
「まだなんかいうのか?」
「変な事聞いちまったのは俺の方だ。言っとくけど、独占欲強いわりに好きになったら一筋なはずだからよ?」
「グレイ!」
真っ赤になっている加賀を見て何よりも信じれる言葉をもらった雅だった。
こうして食事会も終わった。帰りも変わらず助手席にグレイ、運転席にフィル、そして後部座席に加賀と雅が乗っていた。ホテルの駐車場に着けば四人とも降りる。
「…すみません、行きも帰りも運転してもらって…」
「大丈夫ですよ」
「ありがとうございます、グレイさんもお食事…ありがとうございます。ごちそうさまでした。」
「いやいや、楽しかった、こっちこそありがとうな!」
そうして雅がグレイと話していると加賀はフィルからキーをもらっている。
「…じゃぁ、加賀、」
「あぁ。」
「行きましょうか?」
雅も一緒に歩き出そうとした時だ。くっと手首を掴まれた。
「…じゃぁな、ブリード」
「あぁ。…雅はこっち…」
そう話して運転席に乗り込む加賀。助手席をカチンとロックを開けて乗る様に促した。
「…加賀…さん?」
「行かねぇ?」
「…行く…」
そうして乗り込んだ。少し走り出した時だ。雅の口元が緩んでくる。
「…何?どうかした?」
「ううん…嬉しいなって思っただけ」
「何が?」
「その…ッッ…加賀さんの運転の車に乗れて…」
「そんな事か…バイクとはまた違うだろ…」
「はい…」