第2章 輝石の額当て
「………………。」
「………………。」
「………何に震えてる?」
目を細めて聞く天元に、仁美はヒクッと喉を鳴らした。
挑発してはいけないほどのモノが仁美のお尻に突き刺さってた。
「……っすみませんっ。」
仁美は慌てて腰を上げたが、天元の手が仁美の腰を掴んでそれを阻止する。
今度は天元が仁美の体をひっくり返して、布団に仁美を押し付けた。
天元の顔の奥に天井が見えた。
彼の赤い目が真っ直ぐに仁美を見据えて、その目に見つめられながらもう一度ヒクッ喉が鳴った。
「…お前は娼婦の様に一緒に居てくれと頼むんだな。」
「…ご…ごめんなさい…。」
冷たい刺す様な目で見下ろされて、悲しさよりも恥ずかしさの方が強かった。
だけど体の震えは止まらず、言いようの無い不安感に心臓は強く鼓動を続けている。
不安に押しつぶされて死んでしまうのでは無いかと思えた。
どんな形でも良かった。
あの赤い目から逃げる為の安心感が欲しかった。