第6章 しょうじょ
パウダールームにある洗面所の前に立ちながら乾いた髪をブラシで梳かしながら鏡を見ていたマキア
ドクン!!
「……っ!?」
魔力の荒れを感じてブラシを持つ手が震える
「なんで?……」
さっきまでお風呂では落ち着いてたのにと考えながらもブラシを持っていられず落としてしまう
ドクン!!ドクン!!
足に力が入らずに洗面所の前で座り込んでしまう
何かが心臓の周りを駆け巡ってるかのように鼓動が早くなり、視界が揺れる。
(このままじゃ…マズイわ)
そう思ったマキアは、荒れる魔力を身体の中で感じながらも左手をバスルームのドアの方に向けてドアの施錠を魔法で開ける
ドクン!!
「っ!!」
魔法を使うと更に鼓動が強くなり視界が霞む
「……まだっ………」
そう言いながら…左手で床を軽く叩くとバスルームのドア近くに小さな光の魔法陣が展開されて召喚魔法を使った
召喚されたのは、白と蜂蜜色のマーブル模様の猫
「〜珍しいわね?ワタシを呼ぶなんて……って!?主!??〜」
猫は異界から魔法陣へ出てきてマキアに話しかけるも
マキアが座り込んで肩で息をしてるのを見て直ぐに駆けつけた。
「〜主!?なんで!魔力の暴走があるのに召喚を使ったのよ!??〜」
視界がボヤけながらも猫の召喚獣の姿を見て微笑みを浮かべるマキア
「良かった……出来た……ミルア……」
「〜出来たじゃないわ!!直ぐにワタシを異界に戻して魔力を安定させなさいよ!〜」
「じ……事情があるの……と……隣に……つ……繋がってる部屋に……ま……魔族がいるの……ぱ……となー……よんで……」
「〜魔族!??……まさかレライ(光召喚獣のライオン)やウィンファルコン(風召喚獣の大隼)が言ってたデビ何とかって所のヤツ??〜」
光属性の召喚獣の猫のミルアがマキアに聞くと、頷きながら力なく洗面台に寄りかかるマキア