第6章 しょうじょ
「私の鍛えが足らないだけですわ。……ギルヴァ様みたいに直ぐに首から血をって……私にも出来たらいいのですが……」
「そんなことを馴染ませてもないのにやったら、心臓がもたないぞ?」
「フフ……そうですね。指からの1滴でこの有り様ですからね…」
そう言いながらクスクス笑うマキア
「レンヒから前に話を聞いたことがある。たぶんだが…その波は魔力衝突波紋だと思うんだ。」
「……はもん?…」
「そうだ。元々の魔力がマキアの中にあるだろ?…これがお前の魔力だとしよう」
そう言いながら水球を魔法で目の前に出し、透明の水球がフヨフヨと浮かんでる
「そこに……」
水球の上にギルヴァの指を近づけ、指先から魔法で黒い雫を落とすと、表面が跳ねて黒い雫は水球の中にて薄まっていく
「今、跳ねただろ?このことだ。」
「だから、波紋なのですね。」
「そうだ。たぶんは慣れるまではその波はある。明日にでもレンヒやビィナに相談はするが……」
「大丈夫ですよ……できます」
「無理をするな。」
「馴染めば…無理ではなくなります。」
寄りかかったままなのに、頑固なマキア
ハァ……と溜息をつくギルヴァ
「なら……何かあった時のために俺が直ぐに対応できるように部屋は繋げたままにする。それはいいな??」
その提案にゆっくり頷いたマキアは起き上がる
「おい!大丈夫か?」
「はい。鼓動は落ち着きました。大丈夫です。」
「それならいいが……」
「休む支度をしますね…」
「本当に平気か?」
立ち上がるマキア
心配するギルヴァに顔を向けて微笑み
「大丈夫ですよ。支度しながら魔力を整えてみますわ……心配いりません。」
「何かあれば呼べよ?すぐ動けるようにするから…」
そう言ったギルヴァに
微笑んだまま頷いたマキアは自分の部屋に戻って行った