第14章 ちょこっと余談(よだん)
恵土「ここまでで何か質問は無いか?」
離れから程近い場にある鹿威し(ししおどし)…
その水が落ちてる行く音が聞こえてくる
しのぶ「お父さんとお母さんが後五年で死ぬ?)←冷や汗が頬を伝い、鹿威しのかっこーんという音と共に落ちる
お館様は…このことは」血の気が引いている
恵土「知っている
耀哉を除いて知っているのは、お前だけだ
カナエに話すかは、お前が決めていい
義勇に話してくれてもいい」
しのぶ「なんで…」
恵土「?」
しのぶ「なんで…私なんですか?
ほかにだって、話せる相手は一杯!
公言しない人だって
恵土「お前だから話したいと思った
知っておいて欲しかった…
一番好きな人だから…
これからずっと…死ぬまで、一緒に生きたい人だから
隠し事をしたまま生きるのは……辛い」苦笑
ああ…
このひとは…こういうひとだった
ずっと……
ずっと…
誰にも言えず、一人で?
こんな大事を抱えて?
癌って何?
一兆五千億年前に全てを手に掛けて殺して消したって何?
罪に加担させて癌へ変異させた?
加担しただけの隠れ癌も同じ罪を持っていて、今も癌化の闇をばら撒いている?
ただ生きているだけで?
それを、癌化の闇を、罪人への変異を
無罪のものに対してだけ無力化する為に?
己の命も自我も記憶も99.08%も削られる?
同じものは二度と戻らない?どんな方法を使っても元には戻らない?
罪を犯した人の悪事を、更なる酷いことを…無効化する為に、最後の更生の機会を与える為だけに?
その為だけに…?
癌を使って隠れ癌を燻り出す?
癌一同を転生させるのは機会を与える為だけじゃない?
癌化に対しての抗体を、罪を犯してない全てに身に付けさせる為?
ふざけないで!!!
そんなに痛いのに…なんで……
どうしてっ
ひとりでたえてるの?
わたしたちにいきてほしいから?
だいじにしたいから?
罪を犯してない人を…守って、大事にして、何があるの?
何も旨味がないのに?
何もされないのに?
評価もされないのに?
誰もしらないのに?
そんなこと……私、知らなかった
皆知らないよこんなの!
なんで……
どうして…
平気な顔をしていられるの?
怒ったらいいじゃない!
やってられるかって投げ出したらいいじゃない!
なのになんで?
どうして……っ(目に涙が滲む)
