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【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──

第3章 「咲きて散る、時の花 前編」


え、え? え???


私は扉を閉めた。
静かに。
音を立てずに。
そして、数秒の沈黙。


さっきの、なに?
今、いたよね? いたよね???


そこには、妙に丸みを帯びた大きな……なにか。
壁際に背を向けて、こちらを警戒しているようにも見えた。



いやいやいや、あれ、どう見ても……


再び、扉に手をかける。
今度はそろりと、ほんの数センチだけ開いて、隙間から覗く。
 

皮膚は深緑で、背にはゴツゴツとした突起。
小さく上下する肩、ガサッと動くしっぽ。
背丈は天井に届きそうで。


……いや、でも、現実的にありえない。
呪霊? いや、あれは……

 
ティラノサウルス????

 
(着ぐるみ!?)

(いや、でもなんで!?)


ツッコミが追いつかない。
五条さんの言葉も、涙も、不安さえも今はすべて吹き飛んでいた。


ティラノサウルスが動いた。
ぐるりと顔をこちらに向けると、低く唸るような音を喉の奥で響かせ、



「……ガアァァアアアァアッ!!!」

「きゃああああああああああ!!!!!」



先に叫んだのは私だった。
そして、次の瞬間、



ドオォォォン!!!!!!



ティラノサウルスは全力で扉を突き破ってきた。



「な、なんで、恐竜がいるの!?」



叫びながら、私は廊下を全力で駆け出した。


(なに!? なんなの!? 術式!?)


背後から、ドシン、ドシン、ドシンッ!!と重たい足音が迫る。
もうパニック寸前である。
息が切れそうになりながら角を曲がると、――向こうから、誰かがこっちに走ってくるのが見えた。



「五条さん!!!」

「おい、さっきの音――」



五条さんが言いかけたその瞬間、



ドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!



後ろの壁ごとぶち破って、ティラノサウルスが登場した。



「…………は?」



五条さんの口が半開きで固まった。
目の前の“それ”を見て、彼でさえ言葉を失っていた。



「どういう状況だよっ、これは!?」

「私に聞かれても!?」



ティラノサウルスが廊下の奥で、こちらを睨んでいた。
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