【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第3章 「咲きて散る、時の花 前編」
(……俺には、理解できなかった)
だから、あの時……ああやって、つい言葉が強くなった。
『お前みたいなの、いてもいなくても同じだろ。やめたら?』
を否定するような言葉しか、口から出なかった。
ほんとは、知りたかっただけなのに。
どうして、そこまでして戦おうとするのか。
どうして、そんな顔して“術師でいたい”なんて言うのか。
どうして、“未来の俺”があんなにも優しい目でを見るのか――
(……のことを、知りたかっただけなのに)
知らないくせに、あいつのこと勝手に決めつけて。
聞きたいことを、ちゃんと聞かずに斬ってしまった。
(これじゃ、俺に近づいてくるやつと一緒じゃねぇか)
どんな過去があって、何を想ってこの道を選んで、
どんなふうに傷ついて、それでも立ってんのか――
……全部、知らない。
ただ「術師として未熟だ」と決めつけて、「俺とは釣り合わない」って、勝手に線を引いて。
(俺も、あんな目でを見ることができるようになるのか?)
ふと、そんな考えが頭をよぎる。
だけど、すぐに舌打ちで追い払った。
(……考えててもしょうがねぇ)
(あいつ一人にすると、すぐ死にそうだからな)
渦巻いていたイライラと後悔と、どうしようもない焦り。
俺はが走り去った方へと、迷いなく駆け出した。
のことを“好き”かどうか――
正直、まだわからない。
でも、知らないままでいたくないって思ったのは、生まれて初めてだった。