【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第3章 「咲きて散る、時の花 前編」
「……それがさあ」
「呪霊もね、結界の中にはいなかったんだよねえ」
「……はあ!? まさか――」
「そ!そのまさか。呪霊もこの時代に来てる」
その言葉に、私は思わず声を上げた。
「えっ、呪霊も……!? 」
先生は指を立てて、にこっと笑う。
「――ってことで、二人で祓ってきてよ」
「ああ!? なんで俺が!!?」
五条さんが声を上げて、思いっきり眉をひそめた。
「ほら、だって」
先生はごく当然のような顔で、指を自分に向けて言った。
「この僕がこの時代でウロウロしてるところ人に見られたら、大変なことになるでしょ?」
先生の言うとおりで、五条さんは一瞬口を閉ざす。
この時代の呪術界に未来の先生が姿を現せば、どれだけの混乱を招くか――
それは、私にも想像がついた。
五条さんは頭をぐしゃっとかいたあと、私のほうを振り返った。
「じゃあ、一人で行けばいいだろ」
その言葉に、私もすぐさま口を開いた。
「五条さんの言うとおりです。元々は私が結界に入っちゃったのが原因ですし……」
けれど――
「だーめ」
先生が即座に却下した。
私の言葉を遮るように、はっきりとした声で。
「は怪我がやっと治ったばかりなんだから。まだ本調子じゃないでしょ?」
「……っ」
図星だった。
たしかに、あの時の傷はようやく癒えてきたところで、完全に感覚が戻っているとは言いがたかった。
すると――
先生がふいに視線を上げて、五条さんの方をじっと見た。
「に何かあったら――」
にこりと、穏やかに笑って、続ける。
「僕、未来でどうなっちゃうかわかんないよ? もしかしたら……やけ食いして巨漢になっちゃうかも」
「脅迫かよ!? 未来の俺に余計な脂肪つけんな!!」
五条さんが顔をしかめてツッコんだ。
先生は冗談だよ〜とばかりにひらひらと手を振る。