【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第3章 「咲きて散る、時の花 前編」
「……おい、」
隣の五条さんが私の袖を軽く引きながら、小声で尋ねてきた。
「もしかして――この目隠ししたやつが……」
先生を指差し、言いづらそうに眉をひそめる。
すると、先生がにこりと笑いながら、軽く手を挙げて名乗る。
「そ、僕が28歳の五条悟でーす」
「は!? マジで!? え、マジでマジで!?」
五条さんは目をまんまるにして、思わず先生をまじまじと見つめた。
「やっぱ、かっけーじゃん……! つーか、体もでかくなってる! 呪力量もハンパねぇし!! うわ、将来こんなふうになるの俺!? 最高だろ!?」
「当たり前だよ、僕なんだから」
興奮気味にまくしたてる五条さんを見て、先生は「ふふん」と得意げに鼻で笑った。
「その写真、俺にもちょーだい」
五条さんが制服のポケットからガラケーを取り出した。
「うわ、ガラケー懐かしっ!!」
先生はまるでタイムカプセルでも開けたみたいな表情で五条さんのケータイを凝視した。
「しかもこれ、W41CAでしょ。耐衝撃とか言っといて、腰の高さから落としただけでヒビ入るやつ」
「で、待ち受けは……あーやっぱ井上和香」
「井上和香、未来じゃどうなってんの?」
「実は未来では激太りして、面影ゼロになるんだけど」
「うそっ!? まじで!?」
「でも安心して、ライザップで10キロ痩せたから。やっぱりCMって大事だよね」
「……ライザップ? なにそれ」
「あ、この時代ってまだないんだっけ? パーソナルジム。ビフォーアフターのCMが有名でさ――」
そこから先生の“ライザップ講義”が始まってしまい、五条さんは目を輝かせながら真剣に聞いてる。
(……なにこれ)
私は二人のやり取りを見つめながら、目を瞬かせた。
目の前で、未来の先生と高専時代の五条さんが盛り上がってる。
いや、盛り上がるっていうか、完全に“自分同士”で意気投合している。