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【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──

第3章 「咲きて散る、時の花 前編」


「……悟、今日たまたま“珍しく何の予定もない”って、さっき言ってたじゃないか」

「はっ!? なんでそういうとこだけ覚えてんの!?」

「というわけで、悟しかいないだろう?」

「……」

「未来じゃ、君がちゃんの“先生”なんだし――」

 

夏油さんが、どこか面白がるような声音で言った。

 

「だったら今から面倒見てあげればいいじゃないか」

「……ッ!」

 

先生は何か言いかけたが、口を噤んでうつむいた。
そんなやりとりをよそに、硝子さんが先にドアのほうへ向かう。

 

「じゃ、私は出るわ。タバコ吸えないし」

「私もそろそろ……」

 

夏油さんが突如こちらに振り返り、
 


「ちゃん、悟に何かされたら、すぐに私か硝子に言うんだよ」

「えっ……」

 

反応に困って、思わず視線が泳いだ。

 

「はあ!? おい、なに言ってんだよ!」

 

先生が思わず声を上げる。



「こんな地味なガキに、俺が何かするわけねーだろ!」


(……ガ、ガキ……!?)


雷でも落ちたみたいに固まる。


(え、今……“地味なガキ”って言った!? ショック……!)

(こっちの先生がそう思うってことは……未来の先生も本当はそう思ってたのかな……)


思わず肩がしゅんと落ちた。

 
だが、二人は私と先生には気にも留めず、


「じゃあね、ちゃん。またあとでね」

「悟、ちゃんと面倒見るんだよ」

 

そう言って、そろって教室をあとにした。



「え、ちょ、待ってください……!」

「おい傑! 硝子!」

 

私と先生の声がほぼ同時に重なった。
けれど、すでに扉は閉まり、
足音はどんどん遠ざかっていく。


(……二人とも、行っちゃった)

 
信じられないほど、教室がしん……と静かになる。


(ど、どうしよう……)

(高専時代の先生と二人きりって……)


沈黙。


(何か、話さなきゃ……)

 
沈黙が耐えられなくて、顔を上げた瞬間、
先生と目がばっちり合った。

 

「……っ!」「……は?」

 

二人して、なんとも言えない顔で固まる。
 




教室には私と先生だけ。
……気まずさ120%の二人きりの時間が始まった。
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