【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第2章 「咲きて蕩けし、夜の花**」
その囁きが落ちた瞬間、
五条の腰がさらに深く、迷いなく沈み込む。
「っ……ん、んんっ……!」
甘く震える声が、喉の奥で絡む。
それと同時に、繋いだ手にもう一度、強く力がこもった。
「……こっち、見て」
かすれた声で促されて、はゆっくりと顔を向けた。
視界が滲む。
けれど、その奥に見えたのは――息を乱しながらも、まっすぐに自分を見つめる蒼い瞳。
「……愛してる」
その言葉と同時に、五条の唇が降りてきた。
重なる唇。
逃げ場も、余裕も、言葉すらも奪われて、
ただ、呼吸のすべてが溶け合う。
その瞬間――
「っ、んっ……あ……っ、さとる、さ……ん……っ!」
「……っ……!」
二人の身体が、同時に大きく震えた。
の奥がきゅうっと締まり、
その中で、五条の熱が脈打つように果てていく。
唇を重ねたまま、
指を絡めたまま、
震え、痺れ、甘く砕けるように――
ふたりはほぼ同時に、熱の頂点へと達した。
全身の力が、すうっと抜けていく。
もう何も考えられない。
ただ、シーツに包まれたまま、彼のぬくもりだけが、まだ肌に残っている。
そんな中、腰の奥から、ゆっくりとした動き――
熱を抜かれていく、その感触すらもう頭の奥に響かなくて。
気持ちいいのか、くすぐったいのかも、もう曖昧だった。
そのとき、ふいに――耳元に、くすっと笑うような声。
「……ねぇ、」
「……っ」
声にならない返事。
けれど、息を吸う暇もなく、その続きを囁かれた。
「まだ……あと4回、残ってるからね」
(……よ、ん……?)
言葉の意味を理解するより先に、
意識が、すぅっと遠のいていく――
(……うそ、でしょ……)
もう無理だ、と脳が叫んでいた。
身体は熱くて、でも重くて、まぶたも開けられない。
呼吸が浅く、ぼんやりと揺れる視界の中、彼の気配だけがやけに近くて。
(からだ、動かない……もう……)
唇が微かに開く。
でも、何も言えなかった。
彼の声も、触れる手も、
もう水の底で聞いているように遠くて――
の意識は、そのまま、静かに闇に落ちていった。