【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第8章 「アシンメトリー・ナノ・ループ・ビーズ**」
「……こう、ですか?」
髪を耳にかけて、先生に見せる。
けれど、先生は私の耳元で揺れる鈴を見て、「いや、可愛いけど。可愛いけどさ……」と大きく息を吐いた。
「……違いました?」
「あの店で売られてたんだよ? 普通のアクセサリーなわけないでしょ」
「ですよね……」
普通を期待したんだけどな。
「じゃあ、髪……?」
「ブッブー。不正解」
「うーん……鼻につける、とか……?」
「はは、それじゃ牛みたいじゃん。残念、それも違いまーす」
耳でもない。
髪でもない。
鼻でもない。
じゃあ、服につけるもの?
襟とか、袖とか……?
考えれば考えるほど、よくわからなくなってくる。
「……わかんないです。先生、どこにつけるんですか……?」
「しょうがないなぁ、教えてあげよう」
そう言って、先生の人差し指が、わざと迷うみたいに宙をさまよった。
耳元。
髪。
首筋。
それから、鎖骨。
ひとつずつ候補をなぞるように下りてきて――
最後に、私の胸の先をつんと軽くつついた。
「……ひゃっ」
一瞬、何をされたのかわからなかった。
今、触られたのは。
先生が指したのは。
「そ、そこって……!」
先生は耳たぶにつけていたクリップを外すと、指でつまんで、ぱかぱかと開いてみせた。
「の可愛い先っぽ、これで挟んで遊んであげるんだよ」
「……あそぶ、って……」
これで?
私の、ここを……?
先生の言葉が、頭の中でゆっくりと繋がっていく。
クリップに挟まれる自分の姿が、はっきり浮かんだ瞬間――
(……っ!!!)
慌てて先生の手を振り払って、両腕で自分の胸をぎゅっと隠した。
「な、……ど、どどどど、どうしてそういうこと思いつくんですかー! へんたいっ!」
この人、頭の中どうなってるの!?
こんな使い方、普通の人は絶対に思いつかない!
やっぱりただの変態だ……っ!
私が本気でドン引きして睨みつけても、当の本人はヘラヘラと笑っている。
「ひどい言われようだなぁ。別に僕が考えた訳じゃないよ」
「絶対嘘です! 先生が今、適当に考えたに決まってますっ!」
「ほんとだってば。そもそも、こういう道具の歴史はけっこう古くてさ」