【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第8章 「アシンメトリー・ナノ・ループ・ビーズ**」
(……いや、だめだめ)
一瞬でも安心しかけた自分を、慌てて止める。
こんなお店に置いてある“可愛いもの”が、本当に可愛いだけで終わるはずがない。
「で、どうする? これにする?」
先生はそう言って、ピンクのたまごが入った箱を私の目の前でひらひらさせた。
にこにこしているのに、なぜか逃がしてくれる気はまったくなさそうだ。
「あの、買わないで帰るっていうのは……」
「えー、やだ」
「だ、だって、私、こういうの使い方も分からないですし……!」
「じゃあ勉強すればいいじゃん。僕、教えるの得意だよ?」
「そういう勉強はしなくていいですっ」
声が少し大きくなってしまって、慌てて口を押さえたが。
レジの奥にいる店員さんと、ふと目が合ってしまった。
(……っ)
私と先生を、訝しげな視線でじっと見つめている。
(未成年だってバレた!?)
じわっと嫌な汗が滲んだ。
ここで先生とあれこれ揉めて目立つのは、絶対にまずい。
一刻も早くここから抜け出す方が先だ。
「もう、それでいいです! それ、一つ目で……っ」
「おっ、素直でいいねー」
先生はご機嫌な声を出して、それを私が持たされていた買い物カゴにポイッと放り込んだ。
(……あと、四個……)
早く終わらせなきゃ。
私は帽子のつばをギュッと掴み直して、なるべく刺激的じゃない、普通の雑貨に見えるものを探そうと視線を巡らせた。
顔を上げないように、そっと店内をキョロキョロと見渡す。
(……ん?)
少し先の棚に、ちょこんと置かれているものに目が止まった。
ピンク色をした、手のひらサイズのリスの形をした置物。