【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第8章 「アシンメトリー・ナノ・ループ・ビーズ**」
ピンク色の照明に染まった、明るすぎる店内。
壁一面に並んだ、布面積のほとんどない下着。
ほとんど裸の女の人のポスター。
それから、刺激の強い言葉が並んだパッケージの山。
どこを見ても、目のやり場に困るものばかり。
隣を見ると、先生は楽しそうに店内を見渡している。
「結構品揃えいいじゃん、何買おうかな〜」
(何買う気ですか!?)
思わず先生の横顔を二度見してしまった。
買ってどうする気?
使うの?誰に?………………私に?
そこまで考えて、頭の中がぼんっと熱くなった。
もう一秒でもここにいたら、変な想像で自滅しそうで。
私はたまらず、先生の手を引いた。
「……せ、先生、早く出ましょ……っ。こういう場所、私……」
「えー? せっかく来たのに?」
「私は、来たくて来たわけじゃないです……っ!」
全体重をかけて手を引っ張っても、先生はびくともしない。
先生は逆に、私の手首をさらにぎゅっと掴み直した。
「じゃあ、が五個選んだら帰ろっか」
「……ご、ごこ……!?」
「うん。の好きなの、五個」
好きなのって、何を……!?
このお店の中に、私の“好きなもの”なんて一つもありませんけど。
そもそも、五個も選ぶ必要ある……?
言いたいことが多すぎて、声にならなかった。
絶句している私の前で、先生はすぐ横の棚に手を伸ばした。
「とりあえず、これなんかおすすめだよ」
目の前に差し出されたのは、透明な箱に入った、淡いピンク色の物体だった。
(……たまご?)
コロンとしていて、手のひらにすっぽり収まりそうな小さなサイズ。
色も形も、なんだか可愛らしい。
こういう場所にあるから身構えてしまったけれど、見た目はただの小さなツボ押しグッズか何かのように思えた。