【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第8章 「アシンメトリー・ナノ・ループ・ビーズ**」
お洒落な街並みから一本外れて、細い道へ入っていく。
角を曲がった瞬間、視界に入る景色ががらりと変わった。
(……えっ)
目に飛び込んできたのは、ラブホテル。
それに、入口に厚いカーテンがかかっていて、中の様子が見えないお店ばかり。
すれ違う人たちの雰囲気も、さっきまでの大通りとは全然違った。
(……ここ、どこ……?)
普通の雑貨屋さんや、カフェがあるような場所じゃない。
それくらいは、私にだってなんとなく分かる。
見慣れない景色にキョロキョロしながら歩いていると。
ピンクと紫のネオンが光る看板の前で、先生の足が止まった。
看板には、よく分からない英語と妙に刺激の強いシルエット。
入り口のガラスは曇っていて、中の様子はまったく見えない。
「……先生、こんなところにスイーツのお店があるんですか?」
「ん? スイーツじゃないよ。今から行くのは、大人のデパートってとこかな」
先生は私の手を引いたまま、ふふっと楽しそうに笑う。
(大人の、デパート……?)
なんだか、ものすごく嫌な予感がした。
「先生……私、外で待って――」
言い終わるより早く、ぽふっと頭の上に何かが乗せられた。
(……ん?)
急に視界が上半分だけ遮られる。
目深に被らされたのは、先生が持っていた黒いキャップだった。
「はこれ被ってて。未成年は、ほんとは入っちゃダメだから」
それって――なおさら私、入っちゃだめなんじゃ。
(……えっちな、お店入るの……!?)
じわっと耳まで熱くなったところで、帽子のつばをぐっと押し下げられる。
見えるのは、先生の悪戯っぽく笑う口元だけになった。
「ほら、行くよ」
手をぐいっと強く引かれる。
(あっ、ちょっと……っ!)
抵抗する間もなく、眩しいネオンの入口へ連れていかれた。
ウィーン、と自動ドアが開くと、甘ったるい香水のような匂いが鼻を突いた。
(……わわ)
帽子の下から、店内を見渡すと――