【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第7章 「背伸びの先にある恋**」
「この前、カフェで大学生が話してるの聞いちゃって……キスの反応が薄いと萎えるとか、マグロだとか言ってて……っ」
「……うん?」
「それで……私、いつも先生に任せてばっかりだし……だから、調べたんです。いっぱい」
言いながら、耳が熱い。
顔が上げられない。
「“キスは斜め四十五度がいい”とか……“男の人がメロメロになる声”とか……っ。そういうの……」
勢いで、全部言ってしまった。
(終わった……。最悪だ。恥ずかしすぎる! 何より絶望的にダサい……!)
呆れられた。
絶対に「何、くだらないことやってんの」って冷たい声で言われる。
そう覚悟して、恐る恐る視線を上げた先――
「…………」
先生は口元を手で覆ったまま、肩を小刻みに震わせていた。
「……せん、せ……?」
「っ……く、くく……っ」
次の瞬間、堪えきれなかったみたいに。
「――――あははははっ!!」
先生が盛大に吹き出した。
体をくの字に折って、お腹を抱えて本気で笑ってる。
(……っ、やっぱり、変だったんだ。ダサかったんだ)
真剣に悩んで、一生懸命練習したのに。
あんまりな反応に、じんわりと視界が滲んできた。
「ひははっ……だって、みわくのといきって……斜めって……っ、あははははっ!」
「笑いすぎですっ! 硝子さんだって、先生は絶対に喜ぶって言ってくれたんですから!」
涙声で叫ぶと、先生は目尻に滲んだ涙を指で拭いながら、
「……それ、」
残った笑いを噛み殺すように、肩を揺らす。
「硝子にからかわれてるよ」
「……え?」