【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第7章 「背伸びの先にある恋**」
スクロールしていくと、『基本のキ・魅惑のキス編』という見出しが現れた。
『男性がキスしやすい、かつ美しく見える黄金の角度。それは斜め45度! 顎を少し引き、小首を傾げて彼を見つめましょう』
(……斜め45度?)
スマホを持ったまま首を傾けてみる。
(これ、首痛くならない? ていうか、先生背がすごく高いから、私が45度になっても全然顔の高さ合わなくない?)
さらに画面を下にスクロールする。
『極上テクニック・吐息編』
『声を出すのが恥ずかしい人は、吐息を多めにしてみましょう。コツは「んっ、ふぁ……っ」と、息を漏らすこと。彼もあなたの色気にメロメロ間違いなし!』
(……「ふぁ」って何!?)
思わずスマホを布団に放り投げそうになる。
これ、大人の女性はみんなやるの?
(いや、でも……)
再び画面の『メロメロ間違いなし!』という文字を食い入るように見つめる。
(……先生に呆れられて愛想を尽かされるよりは、マシだよね)
ギュッとスマホを握って、決意を固める。
天井に向かって、書いてある通りに斜め45度に顎を上げ、小さく口を開いた。
「んっ……ふぁ……っ」
(……うわぁ、めっちゃ変な感じする……)
顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。
けれど、週末のお泊まりはもうすぐそこまで迫っているのだ。
「んっ……ふぁぁッ」
(ゴルフの時の掛け声!?)
思わず突っ込んでしまった。
色気も何もない。
下手したら「え、何? ボール飛んできた?」って本気で腹抱えて笑われるか、最悪の場合「ふざけてるの?」って怒られるんじゃないか。
(でも、背に腹は変えられない……! 自然に、かつえっちに!)
掛け布団を頭からすっぽりとかぶり直し、謎の特訓を開始した。
「んっ、ふぁ……っ」
「んんっ、ふぁぁ……っ、違うな、もっと息多め?」
「……んっ、ふぁー……っ」
……あっ、またゴルフになった。