【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第6章 「しのぶ恋なれ、夏の宵**」
「妬いてくれた?」
普段のなら、ここで慌てて目を逸らし、「妬いてませんっ」とむくれるところだ。
それを揶揄うのも面白いんだよな。
そう思って反応を待っていると。
僕の目をじっと見つめ返したまま、が小さく頷いた。
「……すっごく、妬きました」
誤魔化すこともなく、素直な言葉が真っ直ぐに返ってきた。
(……やば)
なんだそれ。
いつもは恥ずかしがってばかりなのに、こんな時だけ素直になるとか。
予想外の返答に、口元が緩む。
隠しきれないくらい、自分の中でへの愛おしさが膨れ上がっていくのがわかる。
思わず、息を吐いて車の天井を仰いだ。
「あー……どこまで僕を惚れさせる気?」
無意識のうちに、声に出ていたらしい。
「……えっ?」
隣で、が目を丸くして僕を見上げている。
そのきょとんとした顔も可愛くて。
たまらず手を伸ばして、その小さな身体をぐいっと腕の中に引き寄せる。
「わっ、せんせ……っ」
「……このままじゃ、僕の方がおかしくなりそう」
すっぽりと腕の中に収まった頭に顎を乗せて、ギュッと抱きしめる。
意味がわからず固まってる彼女の指に、自分の指を絡ませながら、
「なんでもない。……またデートしよ」
繋いだ手を持ち上げて、その小さな手の甲にそっと唇を落とす。
「次はさ、どこに行きたい?」
手の甲に唇を当てたまま尋ねると、はみるみる頬を赤く染めた。
「えっ……つ、次、ですか?」
「そう。海でも山でも、なんなら海外でもいいよ」
選択肢を並べると、彼女は視線を宙に彷徨わせて真剣に考え込み始めた。
さっきまでの不安そうな顔は、もうどこかへ行っている。