【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第6章 「しのぶ恋なれ、夏の宵**」
「昨日なんて、が気絶するまで抱いたし」
「は……っ?」
「泣きながら僕を求めてさ。あー……思い出すだけで、また勃ちそう」
わざとらしく余韻に浸るような声を出すと、女たちの顔からサーッと血の気が引いていくのがわかった。
ようやく状況が飲み込めたらしい。
自分たちが「ただの子供」だと思っていた相手が、僕の「情事の相手」だったのだと。
「……っ、うそ、でしょ……?」
「あんな子供と……? なんで……?」
ドン引きしたような視線。
声には出さないけれど、『ロリコン』『犯罪じゃないの』『頭おかしい』という心の声が聞こえてくるようだ。
「今思ったでしょ。あーんな年の離れた子抱くなんて、どうかしてる……って」
「っ、い、いや……!」
「正っ解っ。僕、とっくにどうかしてるくらいのことが好きなの」
そう言い切ると、彼女たちは言葉を失って後ずさった。
言いたいことも言ったし、もう用はない。
「じゃ」と短く告げて、踵を返した。
「ちょっと待ってよ! あんな子供抱くぐらいなら、私たちの方が――」
女の一人が、引き止めようとして僕の腕に手を伸ばしてきた。
その指先が、僕に触れようとした――その寸前。
「え……? な、なにこれ……?」
「触れ、ない……?」
振り返って、訳がわからずパニックになる彼女たちを見下ろす。
「身の程、弁えなよ」
「ひっ……!」
僕は、これでもかと冷たい声で吐き捨てた。
「お前らごときが、気安く僕に触れられるとでも思った?」
女たちは腰を抜かしたように、その場へへたり込んだ。
(……あー、せいせいした)
それ以上彼女たちに視線をやることもなく、自動ドアへ向かった。
僕の大事なのこと、地味だの子どもだのって見下すからいけないんだよ。
自動ドアが開くと、夏の強い日差しが差し込んできた。
(さてと。僕の可愛い“彼女”のところへ行きますか)
口元に自然と笑みが浮かぶのを感じながら、軽やかな足取りでタクシーへと向かった。