【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第6章 「しのぶ恋なれ、夏の宵**」
『いやいやいや! ないでしょー!』
『だよねー! あはは!』
期待は、大きな笑い声によって一瞬でかき消された。
『だって歳離れすぎじゃない? 犯罪レベルだって』
『それにさ……あの子じゃ、あのイケメンに釣り合わないでしょ』
『わかる。可愛いけど、なんていうか……すっごい地味だったじゃん?』
地味。
(……う……)
わかってる。
確かに、私って――
(……中学でも、目立たなかったし。友達だって、そんなに多くないし……)
自分でも分かってたことを、はっきり口にされると結構ショック。
(スタイルだって、胸……ないし……)
ぽつぽつと、自分の中の“足りない”が浮かび上がってくる。
『やっぱ妹だよ。それか、親戚の子を預かってる保護者とか?』
『あー、ありそー! 優しいお兄さんが、仕方なくお守りしてます感、出てたもんね』
悪気なんて、これっぽっちもないんだと思う。
ただ見たままを、感じたままを話しているだけ。
だからこそ、その言葉は「本当のこと」として、私の心に突き刺さる。
(……わかってた、けど)
先生と私は、釣り合わない。
周りから見れば、私は「子供」で、先生は「大人」。
恋人に見えるわけなんて、なかったんだ。
さっきの写真を見て浮かれてた自分が、急に惨めで、恥ずかしくてたまらなくなる。
それに、何より。
(……先生に、申し訳ない)
「仕方なくお守りしてる」なんて言われて。
私なんかが隣にいるせいで、先生の評判まで下げてしまっている。
視界が滲んで、鼻の奥がツンと痛くなった。
ここにいるのが、いたたまれない。
「私、もうあがります……」
泣きそうなのを必死に堪えて、先生の腕を解こうと自分の手を重ねた。
でも、肩に回された腕はびくともしなかった。