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【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──

第6章 「しのぶ恋なれ、夏の宵**」


お湯の中に深く沈み込んで、小さくなった。


(うぅ……暴れたせいで、自分から見せてしまった……)


先生は濡れた前髪をかき上げながら、そんな私をおかしそうに笑っている。



「せ、先生……あんまり、見ないで……」



蚊の鳴くような情けない声しか出なかった。
恥ずかしさと、どうしようもない居心地の悪さで、涙が出そう。


すると、後ろから回された腕に、ぎゅっと力が込められた。
肩口にかかる先生の息が、思ったよりも熱くて。
濡れた髪が私の首筋に触れて、くすぐったい。



「こっち向いて」



先生が私の顎にそっと触れ、先生の方を向かされる。
月明かりを浴びた蒼い瞳が、熱っぽく揺れているのが見えた。



「……ぁ……」



濡れた白い髪が額に落ちていて、そこから一筋、水滴が頬を伝って。
首筋をすべって、鎖骨のくぼみに落ちた。
ただそれだけなのに、妙に色っぽくて目が離せなくなる。



「顔、赤いよ」



そう言いながら、親指で私の頬を何度もなぞる。




「……せ、先生のせいです……」



先生は小さく笑って、額を私の額にそっと寄せた。
湯気の中で先生との距離がさらに近くなって。
先生の吐息が、私の肌に触れた。


(先生、キス……したいんだ)


肩に回された先生の腕を、そっと掴んだ。
それを合図に、唇が重なろうとした、その時――。









お湯がざぶんと揺れて、隣の部屋の露天風呂に誰かが入ってきた気配。



『――露天風呂、広ーい! ほんと最高〜!』

『見て見て! 星、めっちゃキレイ!』



夜風と一緒に賑やかな声が届いた。


(……あ)

(この声……)


さっき湯上がり処にいた、あのお姉さんたちだ。



『てかさ、湯上がり処で会った人! カッコよかったよね?』

『背高いし、顔ちっちゃいし。目も青くてさ〜』

『妹連れじゃなかったら、部屋押し入ってたかも〜』

『あんなお兄ちゃんいて羨ましいわー。私なら絶対ブラコンになる』

『でもさー、あの子、ほんとに妹かな?』

『え? どういうこと?』

『いや、もしかして彼女って線もあるのかなーって』



その言葉に、肩がビクリと跳ねた。

先生と私のこと話してる。
もしかして、バレた? 
やっぱり、雰囲気でわかっちゃったとか……?
淡い期待を抱いた、その直後だった。
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