【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第6章 「しのぶ恋なれ、夏の宵**」
「ね、……」
回された手が、お湯の中で私の二の腕をゆっくりと撫で上げる。
お湯の滑らかな感触と、それ以上に熱い、先生の指先。
「約束通り、洗いっこする?」
「っ……!?」
その言葉に、心臓が跳ね上がった。
あ、あれ本気だったの!?
いや、そもそも約束してませんけどっ!?
「い、いいえ! 結構です!」
私は食い気味に否定して、背後の先生から少しでも距離を取ろうと身をよじった。
「私、もう洗いましたから! 全身ピカピカです! なので……」
「なので?」
「せ、先生お一人で、どうぞ! 私はここで待ってますから……!」
「えー。やだ」
「や、やだって……」
「僕はの身体、洗いたいんだけど」
「だから、もう綺麗なんですってば!」
「本当に? 秒で終わってたけど?」
「み、見てたんですかっ!?」
私が必死に抗議しても、先生は「むー」と不満げに私の肩にあごをぐりぐりと押し付けてくる。
まるで、お気に入りの抱き枕を離さない子供みたいだ。
最強の特級呪術師が、こんなことで駄々こねないでください……!
ふいに、先生の動きが止まった。
あごを私の肩から外し、唇を耳のすぐそば。
産毛が逆立つくらいの距離まで寄せてくる。
「それに、洗った後さ……」
さっきまでの甘えた声じゃない。
鼓膜を溶かすような、低くて、熱っぽい響き。
「……の身体、全身くまなく舐めたい」
「――なっ、!?」
言われた言葉の意味が、一秒遅れて頭に届く。
な、ななな、舐めるって……!?
全身!?
頭の中で何かが沸騰した。
「……へ、へん……っ」
「ん?」
「へんたぁぁぁぁぁいッ!!」
「うおっ」
私は、腕の中でバシャバシャと暴れまわった。
お湯が盛大に跳ねて、先生の顔にかかる。
「何言ってるんですかこのエロ教師! 信じられません! 破廉恥です!」
「あはは、暴れないでって。あ、のおっぱい見えた」
「――っ!」
慌てて腕をクロスさせて、胸元をぎゅっと隠した。