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【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──

第6章 「しのぶ恋なれ、夏の宵**」


「おちる、落ちますっ……! 離さないでぇっ!」



私は反射的に、先生の首にギュッとしがみついた。



「あはは、びっくりした?」

「笑い事じゃないですっ!」



先生は私の耳元で、楽しそうに囁いた。



「じゃあ、落とされたくなかったら一緒に入ってくれる?」

「へ……?」

「嫌なら、次は本当に落とすよ」



その声色が、さっきまでのふざけたものじゃないとすぐにわかった。


(ひぃっ……! これ、ほんとに落とすやつだ……!)



「は、入ります! 入りますからぁ……っ!」



必死に頷くと、先生は満足そうに目を細めた。



「ん、いい子」



そう言うと、私を抱えたまま、私の帯の結び目に伸ばしてくる。
シュル、と帯が緩む音がした。



「じゃ、脱ごっか」

「ひゃっ!? ちょ、ここでですか!?」

「うん。面倒だし、ここで脱いじゃえば?」



先生の手が、容赦なく浴衣の合わせに掛かる。
このままじゃ、本当にテラスで素っ裸にされちゃう……!



「や、やだぁっ! 待って、お願いします!」



私は必死に声を上げた。



「じゅ、順番! 順番がいいです!」

「順番?」



先生が手を止める。
慌てて、はだけた浴衣の胸元を押さえた。



「いきなり一緒は……恥ずかしすぎて、死んじゃいます……。心の準備ができないっていうか……その……」



服を脱ぐところを見られるのも恥ずかしいし。
特に裸で並んでお湯に入るまでの、あの無防備な時間が耐えられない。
せめて、先に湯船に隠れていたい……!



「だ、だから……! 先に入らせてください!」

「えー」

「先に私が入って……そのあと、先生が来てください!」



手をパッと広げて、先生の前に突き出した。



「ご、五分! 五分後に来てください!」

「五分? なが。カップラーメン伸びちゃうよ」

「カップ焼きそばなら五分だもん!」

「ちぇー。一緒に洗いっこしようと思ってたのに」



先生は不満げに口を尖らせたけれど、私のあまりの必死さに観念したのか、しぶしぶ腕の力を緩めてくれた。



「……ま、いいよ。そんなに言うなら」



そう言って、床に降ろされる。
足が地についた瞬間、私は浴衣の裾を押さえながら、脱兎のごとく脱衣カゴへ駆け出した。
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