【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第6章 「しのぶ恋なれ、夏の宵**」
「ちょっと、人に見られたら困るなって思って……」
「野薔薇とかに見せびらかせばいいじゃん。『私の彼氏、超イケメンでしょ』って」
「い、言えるわけないじゃないですか……! 大騒ぎになっちゃいますよ」
私は唇を尖らせて、操作を続ける。
先生の吐息が首筋にかかってくすぐったい。
背中にぴったり重なる体温が、じんわりあったかい。
重たいけど、嫌じゃない。
だけど……手元をじっと見られていると、なんだかすごくやりづらい。
二人の写真を『隠しフォルダ』に入れる作業なんて、本人の目の前ですることじゃないし。
なんか、やましい証拠を隠してるみたいな気分になる。
(……いや、やましくはないけど……っ)
(お願いだから、そんなにじーっと見ないで……っ!)
この気まずい時間をなんとかしたくて。
私は先生の意識を逸らすために、とっさにテーブルの上のお菓子を手に取った。
「先生、お菓子食べます?」
ごまかすように、テーブルの上の最中を差し出した。
「ん」
先生は私の肩にあごを乗せたまま、ぱくりと一口食べた。
「ん〜、うまっ。これ、帰りに買って帰ろうかな」
「お土産にいいかもですね」
「僕が帰りの飛行機で食べる分も含めて、五箱くらい?」
「ご、五箱ですか……!? さすがに、お腹壊しませんか……?」
「平気平気。頭使うからいいの」
そんな他愛のない話をしながら、私は写真の移動を進めていた。
先生がモグモグと動かす口の振動が、肩を通して直接伝わってくる。
その距離感がくすぐったくて、やっぱりドキドキしてしまう。
「……ねえ、まだ終わんないの?」
「あ、あとちょっとです。一応、お料理の写真も移動させようと思って……」
「ふぅん」
先生は退屈そうな声を出したかと思うと――