【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第6章 「しのぶ恋なれ、夏の宵**」
***
――一時間後。
浴衣に着替えて、髪を乾かす。
鏡に映った自分が、いつもより少しだけ大人っぽく見えた。
(温泉効果ってやつ? すごい……)
先生、もう上がって待ってるかな。
湯上がり処で無料の牧場牛乳が飲めるって書いてあったっけ。
一緒に腰に手を当てて飲んだりして。……なんて。
そんなことを考えながら、待ち合わせ場所の湯上がり処へ向かった。
そこは囲炉裏とソファのある広々としたラウンジで、自由にドリンクやアイスを楽しめるようになっていた。
(……ご飯前だけど、アイス食べちゃおうかな)
(先生も、食べるかな?)
冷凍庫の前で迷っていると――
すぐ近くから、女の人たちの華やかな笑い声が一角から聞こえた。
(……?)
なんとなく気になって、そちらに視線をやる。
先生が三人の女の人たちに囲まれて座っていた。
(なにあれ……)
みんな大人っぽくて、色っぽくて。
濡れた髪をかき上げる仕草や、浴衣の隙間から覗く素肌。
同性の私でもドキッとするくらい「大人の女の人」って感じ。
(……うわぁ……)
目が離せなかった。
先生とその人たちが、私の知らない“大人の世界”にいるみたいで。
(私も……いつか、あんなふうになれるのかな)
……って、違う。
そんなこと考えてる場合じゃない。
あれ、どう見ても――
先生、ナンパされてる……よね?
先生は足を組んで、瓶のフルーツ牛乳を飲んでいた。
ぐいっと飲み干す喉元とか、浴衣の袖から見える腕とか。
ただ牛乳飲んでるだけなのに、なんであんなに色気があるの?
まだ少し湿った髪と、額にかかる前髪の隙間から覗く青い目が――
(……かっこよすぎるでしょ、ほんと……)
悔しいけど、見惚れてしまう。
それは周りの人たちも同じみたいで。