【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第5章 「2025誕生日記念短編 魔女は蒼に恋を包む」
ど、ど、どうしよう……完全に拗ねてる……
このままじゃ、ほんとにここから動かないかも。
外では、さっきの先生の呪力に反応した虎杖くんたちがまだ騒いでいる。
こんな状況で先生が私の部屋にいるなんて、誰かにでも見られたら――
(やばい……早く何とかしなきゃ……っ)
(でも、どうやって……?)
焦りと罪悪感がぐるぐるして、口が勝手に動いた――
「そ、そうだ! 今日は……何でも先生の言うこと聞きますからっ!」
言った瞬間、ぴたりと先生の動きが止まった。
ゆっくりと振り返るその顔には……もう最悪の意味で見覚えのある笑顔。
「言ったね。今、“なんでもします”って」
(あっ……)
まずい。
この顔の先生は、絶対ろくなことを言わない。
私は本能的に一歩、後ろへ下がった。
けれど、それを先生が見逃すはずもなくて。
「、どこ行く気?」
手首を掴まれた。
するりと絡むように、確実に逃げ道を塞ぐ握り方。
蒼い目が笑ってるのに、逃がす気ゼロだと言っている。
「ケーキも、ボールペンも、すっごく嬉しかったよ?」
手首を引かれて、距離がじわりと近づく。
「でもね――」
先生の親指が、私の手首の脈をそっとなぞった。
「僕、もうひとつ欲しいものがあるんだよね」
(……もうひとつ? え……?)
先生はにこにこと微笑んだまま、私の手元をふと見下ろす。
視線の先には、先ほどのプレゼントにかけていた淡い青色のリボン。
先生が指をひと振りすると、リボンはまるで生き物みたいにふわりと宙を舞い、私の手からすり抜けるように空中へ浮かび上がる。
リボンは私の首元へと降りてきて――
「できた♡」
先生が満足げに言う。
首元に手をやると、蝶結びに結ばれている。
(……え?)
固まっていると、
先生が顔を近づけて、耳の近くで囁いた。
「わかるよね?」
その声に、耳がじんじんする。
(そ、それって……まさか……)
(は、恥ずかしくて、言えるわけないよ)
口がうまく動かなくて、声にならない。
焦りと恥ずかしさがごちゃ混ぜになるが、どこか期待してる自分がいる。