【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第5章 「2025誕生日記念短編 魔女は蒼に恋を包む」
「ち、違う違う……!」
先生の声が、急に少しだけ慌てた。
「プレゼント準備するなって言ってるわけじゃなくて……!」
あたふたと言い直しながら、私の頬をそっと拭う指先。
「だからっ……僕が言いたいのは……」
「一緒に過ごしてくれるだけで、十分っていうかさ」
照れてるのか、語尾が少しだけ揺れていた。
「行けないっていう連絡きたとき…………やだ、って思った」
先生の腕がもう一度ぎゅっと強くなり、今度は先生の方が私の肩に顔をうずめてくる。
「がくれるものなら、何だって嬉しいんだから」
「……僕と一緒にいてよ」
聞き逃したら、そのまま手からすり抜けてしまいそうな声。
聞いた瞬間、胸が痛くなるほど苦しくて、
同時にどうしようもなく愛しくて。
いつも太陽みたいに明るく笑ってるのに。
みんなの前では圧倒的で、何にも怯れない人なのに。
でも、この人の背中には……静かな孤独があることを、私は知ってる。
気づけば、そっと先生の背中に腕を回していた。
ただ、わたしはここにいるって、ちゃんと伝わってほしくて……
すると、先生が顔を少し上げる。
「僕の誕生日、もう終わり?」
ぽつりと落ちたその声は、子供がおねだりをしているみたいで、胸がきゅっとなる。
「……まだ、です。わたし、ちゃんと……」
「先生の誕生日……お祝い、したいです」
先生はふっと、押し殺すみたいに息を吐いた。
「といると、色んな自分がいることに気づく」
その声はすこしむくれていて、
でも、誰にも見せない“本当”がにじんでいた。
「わたしは……強い先生も、ちょっとさみしそうな先生も、どっちも好きです」
そう返した途端――
先生が勢いよく私の頬を両手で掴んだ。
「ちょ、な、なにするんですかっ……!」
「のそういうとこ、ずるい。ムカつく」
え、むかつく……?
好きって言っただけなのに……
先生の口調が荒くなるとき、
本気で怒ってるときと……照れてるときがある。
その違いが、最近になってわかるようになってきた。
(……今のは、照れてる方だ)
そう思ったら、つい笑ってしまった。