【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第5章 「2025誕生日記念短編 魔女は蒼に恋を包む」
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高専内の社宅寮──
カーテンの閉じられた一室で、五条はソファに腰を沈め、スマートフォンの画面をじっと見つめていた。
部屋着に着替え、すでにくつろぐ準備はできている。
あとは、が来るのを待つだけ。
壁掛け時計を見ると、針はとうに約束の十九時を越えている。
「……遅いな」
そう呟いた言葉は静かな部屋に吸い込まれ、ただ時間だけがゆっくりと過ぎていく。
昨夜の彼女との電話が、ふと頭をよぎった。
『もし……時間が空いてたら……すこしだけ、お誕生日のお祝いしたいなって……』
メッセージで「おめでとう」と送られてきた後、思わず電話をかけ直したのは自分の方だった。
どこか緊張している気配。
言葉を選びながら話すその声音に、妙にくすぐられたのを覚えている。
(“すこしだけ”とか言いながら、めちゃくちゃ用意してたりして)
あり得る。
はそういう子だ。
恥ずかしがり屋で、おとなしくて。
でも、意外と頑張っちゃう。
(ケーキとか、手作りしてきそうだな)
(それで、“えっと……これ、プレゼントです……”とかもじもじしながら言うんでしょ)
(絶対可愛いじゃん)
頬が緩む。
(……いや、別に。プレゼントなんて、なくてもいいんだけどね)
スマホの画面を伏せながら、ひとつ息を吐いた。
(が来てくれて……一緒に話して、笑ってくれれば、なんでもいいんだけどさ)
(でも、プレゼントってなると……なんだろ)
部屋の天井を見上げながら、考えてみる。
(アクセサリー系? まぁ、ありえそう)
(まさかの……手編みのセーターとか?)
ぽつぽつと浮かぶ予想の数々をひと通り並べたあと、ふと頭に浮かんでしまったのは――