【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第5章 「2025誕生日記念短編 魔女は蒼に恋を包む」
「……送る? 送らない……? どうしよう……」
深夜の寮室で、つい小さく声が漏れた。
自分の声なのに、ひどく情けなく聞こえる。
枕元に置いたスマホが、青白い光で私の指を照らしていた。
画面には、ずっと書いては消し続けている一文。
“先生、お誕生日おめでとうございます”
絵文字は……つける? ハートなんてつけたら意味深すぎる?
もう一言、なんか添えたほうがいいかな?
ただのお祝いメッセージなのに、どうしても色々考えすぎてしまう。
明日は先生の誕生日。
あと数分で日付が変わる。
0時ぴったりに送ったら、“待ってた”みたいで……
必死みたいで……なんか、重い……?
(いや、でも……一応、彼女なんだし……)
枕の上に置いたスマホの時刻は、すでに23:57。
(……先生、今何してるんだろ)
ちょうど任務中?
任務明けで疲れてるかも。
それとも、もう誰かとお祝いしてる……!?
電話は迷惑かもしれない。
だからメッセージだけにするって決めたのに……
23:59。
最後の数字が変わった瞬間、息を呑む。
(……う……0時になっちゃう……)
先生のことになると、どうしてこんなに不器用になるんだろう。