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【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──

第4章 「咲きて散る、時の花 後編**」


言われたとおり、近くの木陰にあるベンチに腰を下ろす。


(なんか、つい最近も……クレープ、食べたような……?)

 
指を組みながら、ぼんやりとそんなことを思う。
記憶の奥をかき回すようにして、ふと浮かぶのは――
ほんのり甘酸っぱくて、口の中に広がるやさしい冷たさ。
それから、隣に誰かがいて……
 

(あれ? 誰とだっけ)

 

思い出そうとしても、輪郭がぼやけている。
でも、どうしてか胸が少しだけ、きゅうっとなる。
 

(……へんなの)

 
小さく首を振った、そのときだった。
 


「お待たせ」

 

顔を上げると、先生がクレープを二つ手に持って戻ってきた。

 

「はい。には、ブルーベリーチーズケーキ。これ、好きでしょ?」

「え? わたし……好きって言いましたっけ?」 

「んー、僕はの彼氏だよ。何でも知ってるさ」

 

にやっと笑って、自分のクレープをかじる先生。



「ありがとうございます。いただきます」

 

包み紙をそっと開いて、ひと口。
甘酸っぱさとクリームのやさしい甘さが口の中に広がる。



「なんか……ここのクレープ、前にも食べたことある気がします」

 

目の前のクレープをじっと見つめた。
記憶の奥を探るように。

 

「へぇ。そうなの?」

 

先生の声が緩く返ってきて、私は小さく首をかしげた。

 

「この公園以外にも……どこかでお店、出してるのかなぁ」

 

でも、いつ食べたのか全く思い出せない。
だけど、不思議と胸があたたかくなる。

 

「ここのクレープ食べてると、不思議と幸せな気持ちになります」

 

私の言葉に、先生はクレープをかじる手を止めて、じっとこちらを見た。
そして、何も言わずに少しだけ笑った。
 
 

「。生クリーム、ついてる」

「えっ?」

 

慌てて口元をぬぐおうとした、その時だった。
先生が身を乗り出してきて――
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