【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第4章 「咲きて散る、時の花 後編**」
「あんな可愛い顔されたら、抑えろってほうが無理だろ?」
「むしろ、僕はよく頑張って抑えた方だよ」
「抑えたのか? あれで?」
「いや、僕のが優しかったって話でしょ?」
「朝方とか、の意識なかっただろ」
「それはお互い様でしょ」
ぺらぺらと反省の気配ゼロの会話を交わす五条’sに、硝子は小さくため息をついた。
「……鍵閉めても、五条には無駄だったか」
硝子は二人の五条をじろりと睨んだ。
「いいから。もうどっか行きなよ」
手を振り、しっしっという仕草はまるで野良犬扱い。
「ええ〜、硝子ひどくない? 俺たちだって反省して――」
「してないでしょ、その顔が言ってる」
硝子はちらりとの部屋の扉に目をやって、タオルを肩にかけ直した。
「ちゃんは、私がシャワーに連れてくから。……ここ、女子寮だからね?」
その言葉に、二人の五条の動きがぴたりと止まる。
「正確には、“夜中に女子寮に忍び込んで、女の子の部屋に朝までいた変態五条”って言いふらしてもいいんだけど?」
にこりともせずに言い放つ硝子に、二人の五条は小さく肩をすくめた。
「……わかったよ」
「ま、僕はの彼氏だから、無罪だけどね」
「どっちも有罪だよ」
硝子の冷たい返答に、二人は「ちぇー」と声を揃えて小さく唸る。
「、悪かったって」
「やりすぎた。ちょっとだけ」
「うん、ほんとにちょっとだけだからね」
自覚はあるらしいが、反省の色は相変わらず薄い。
硝子はそんな二人を睨みながら、もう一度、しっしっと手で追い払う。
「さっさと行け、変態ども」
「「はいはい〜」」
ようやく立ち上がり、渋々と廊下の先へと消えていく二人の背中を見送りながら、硝子は深いため息をひとつ吐いた。
そして、の部屋の前まで歩み寄ると、
「……ちゃん。もう大丈夫、五条たちなら帰ったよ」
そう声をかけながら、ノックを二回、こんこんと叩いた。
扉の向こうからは、かすかに布団が動くような音が聞こえた。