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【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──

第4章 「咲きて散る、時の花 後編**」


***


空が暗くなり出した頃。
高専の談話室には、なんとも言えない空気が流れていた。



「……え? もう一回言ってくれる?」

 

開口一番、硝子さんが眉をひくつかせながら訊いてきた。
その隣では、夏油さんが腕を組み、やれやれといった顔でため息をつく。



「だーかーらー!」

 
五条さんがソファの背もたれに肘をかけ、少しイラついたように言った。

 

「俺がを好きになっちゃって、それで未来が変わってが戻れなくなったってこと!」

「…………」

 

その場の空気が、数秒止まる。

 

「……五条」



硝子さんが、じっと五条さんを見つめたまま言った。

 

「……あんたが“誰かを好きになった”ってところが一番信じられない」

「は!? なんでそこなんだよ!」



隣の夏油さんも、呆れたように肩をすくめた。



「悟が恋するとか……ブラックホールから桜が咲く方がまだ現実味あるね」

「いや、どういう物理現象だよ!?」

 

二人のツッコミに、五条さんがむくれたように唇を尖らせた。



「お前ら、俺のことなんだと思ってんの?」

「「恋愛偏差値マイナス100の男」」

「うぐっ!」



三人の会話が盛大に脱線する中、私は小さく息をついた。


(五条さんが誰かを好きになるって、そんなに信じてもらえないんだ……)


あの後、私たちは高専へ戻り、状況を夏油さんと硝子さんに説明している最中だった。
先生はさすがに姿を見せられないため、今は五条さんの部屋に隠れてもらっている。



「……あの、だから、その」



私は少し前に出て、二人の視線を受け止めた。



「17歳の五条さんが、誰かを好きになるという過去は、本来はなかったことで。でも今回、それが変わってしまったんです」

「だから、“私”の存在がこの時代の記憶に刻まれ続ける限り……私は未来に戻れなくて」

 

自分の言葉を確かめるように、ゆっくり言葉を重ねる。
 


「つまり、それが“縛り”の解除条件ってわけだね」



夏油さんが顎に手を当てる。
五条さんが勢いよく指を鳴らした。



「“記憶を消す術師”いただろ? 硝子、前に任務で会ったことあるって言ってたじゃん」

「……いたけど」



硝子さんが思い出すように眉間に皺を寄せる。
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