【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第4章 「咲きて散る、時の花 後編**」
「あ、二人ともいたいた!」
その声が響いた瞬間、私たちは同時に振り返った。
日差しの向こう――
そこに立っていたのは、
「先生……!」
手を軽く振りながら、先生がこちらに歩み寄ってくる。
「も無事だったね。ちょっと制服汚れてるけど」
「おい、何でここに……外に出てきていいのかよ!」
五条さんが思わず叫ぶように言った。
「え~? だってあんまり戻ってこないからさ。ちょっと様子見に来ただけだってば」
「だからって、誰かに見られたらどうすんだよ!」
ぼやく五条さんをよそに、先生は私の手元を見て目を輝かせた。
「、そのクレープ美味しそう」
「僕にも一口、ちょうだい?」
そう言って、先生は私の手首を掴み、クレープをがぶりとひと口。
「うん、これ美味しいね。ブルーベリーチーズケーキ味?」
「せ、先生っ! そんなことより!」
思わず前のめりに声を張る。
「私たち、呪霊ちゃんと祓ったんです。でも……それなのに、未来に戻れてないんです!」
その言葉に、先生はクレープをもぐもぐしながら、さらりと言った。
「あー、未来が変わっちゃったんでしょ」
「……え?」「……は?」
私と五条さんが揃って固まる。
「たぶんだけどさ」
先生はクレープをもうひと口食べながら、まるで天気の話でもしているかのように続けた。
「あの結界、過去に飛ばされる直前に強制的に“縛り”を結ばされるんだよ」
「し、縛り……?」
「そう。“未来を変えてはならない”っていう、縛り」
「――っ!」
私は思わず息を呑んだ。
未来を変えてはならない。
つまりそれは、私が何かを“変えた”ことで、今こうして戻れなくなってるということ……?