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【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──

第3章 「咲きて散る、時の花 前編」


「、俺……」



五条さんが小さく息を呑むように言った。
だけど、続きが出てこない。
何かを言おうとして――
でも、どう言えばいいのか迷っているみたいだった。



 







その時だった。


――ガチャン。


私たちの後ろから、金属がぶつかるような硬い音がした。
思わず振り返ると、廊下の奥からゆっくりと人影が近づいてくるのが見えた。



「……なんだ?」



その向こうから、馬に乗った武士が現れた。
槍を構えた、まさしく時代劇のような出で立ち。
鎧に血のようなシミが浮かび、顔は能面のように無表情だ。


さらにその横には――



「えっ……なに、あれ……」



平安装束に身を包んだ女性たちが、すり足でこちらへ進んでくる。
髪は長く、肌は青白く、うっすらと顔が透けて見える。

 
武士、平安時代の女たち、そしてあのティラノサウルス――
どう考えても、現実の存在じゃない。

 

「呪霊!? それとも、幻覚の術式とか……!?」

 

恐怖と混乱で、声が震える。
けれど、五条さんはゆっくりと首を横に振った。

 

「違う。これは呪霊じゃない」 

「……え?」

 

その横顔が、わずかに険しくなる。
けれど、口元には――
まるでこの異常事態を“楽しんでいる”かのような、不敵な笑みが浮かんでいた。

 

「全部……本物だよ。ティラノサウルスも、武士も、あの平安レディーズも」

 

頭が真っ白になる。

 

「え……? 本物……って……どういう……」

「お前をここに飛ばした呪霊の結界のせいだ。開いちゃったんだよ、色んな時代の扉が」

 

そう言って、五条さんは肩をすくめる。

 

「まったく……リアル”ナイトミュージアム”じゃねーか」
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