第5章 それは瞬く星のように
「……あの、皆さんは赤の他人の私にどうしてここまでしてくれるのですか?」
白失の問いかけに子供達はキョトンとした後すぐにお互いの顔を見合わせ、口を揃えて答えた。
「だってお姉ちゃんが困ってたから!」
ヒーローは困った人を助けるんだよ、僕も将来ヒーローになるんだ、と話す子供達は憧れに目を輝かせている。
ああ、この子達は、小さくても立派なヒーローだ。
熱いものが込み上げてきて、涙が出そうになる。
けれど、子供というのは素直そのもので、
「でもお姉ちゃん、もっと表情の練習した方がよかとよ。父ちゃんも兄ちゃんも女の人の泣き落としには弱いけん」
「……元々こんな顔です」
涙はすぐに引っ込んだ。
その後も子供達に協力してもらい、公安の仕事をする傍らギリギリまで剛翼を集めた。
そして……
死柄木達を誘き出して分断し、全国規模で迎撃する作戦が開始間近となっていた。
「白失お姉ちゃん、ちゃんと羽根持ったと?」
「どっかに置き忘れちゃダメだよ」
「気をつけてね」
忠告してくれる子供達の言葉一つひとつに頷き、白失はアタッシュケースを手に彼らに深く頭を下げた。
「……皆様、本当にありがとうございました。いただいた羽根は必ずホークスに届けます」