第5章 それは瞬く星のように
「これでホークスは敵をやっつけられる?」
羽根を渡してくれた少女が心配そうに聞いてくる。
その少女の誠意に応える形で、白失は嘘偽りのない真実を答えた。
「……全力を尽くしますが、敵勢力が強すぎるので分かりません。ですが、剛翼が多ければ多い程ホークスの助けになるのは確かです」
「じゃあもっと集めようよ!」
「で、ですが、先程断られたばかりです。彼らはもう私のことなんて見たくもないでしょう……」
少なくともあそこに集まっていた人々は、白失の話を聞く気が失せているはずだ。
再び交渉して剛翼を譲ってくれるとは到底思えない。
白失が肩を落として俯くと、子供達は次々と声を上げた。
「あそこにいた人はほとんどホークスの羽根は持ってないよ?」
「それにあれはお姉ちゃんの聞き方がまずかったと思うよ。もっと話を聞いてくれそうな人にお願いしないと」
「話を聞いてくれそうな人……?」
「先生とか掃除のおばちゃん、あとラーメン屋のおじちゃんと兄ちゃん」
「図書館のお姉さん達も!」
「怒ってる大人にお願いしてもダメ」
「そうそう、パパもママも家に帰れないからイライラしてるの。ここに来てから文句ばっかり、そういう時はなーんにも聞いてくれないんだもん」
話を聞いてくれそうな人で剛翼を持っている人を次々と挙げ、しまいには「一緒にお願いしに行ってあげる」と白失の手を引き、目的の人物の居場所まで案内してくれた。
その一人ひとりに頭を下げて話をすると、
「こんな時だからこそ助け合いです」
「元々は拾い物だけん、ホークスに持ってって」
「僕で力になれるならどうぞ」
「世間がこんなでしょ。だから私1人じゃ言えなかったんだけどさ、ホークスのこと、応援してんの。だからホークスに頑張れって伝えて」
子供達の言う通り、白失の願いを聞き届けてくれる人ばかりだった。