第5章 それは瞬く星のように
「これまで彼の行ってきたヒーロー活動に決して嘘はありません。それはあなた方が一番よく知っているはずです」
ホークスがウィングヒーローとしてデビューしてからの約4年間、誰よりも早く数々の事件を解決し、福岡を中心に彼に助けられた人は多い。
「ホークスはこれからも戦うつもりです。1枚でも多くの剛翼が必要ですが、生えてくるのを待つ時間がありません」
深く深く頭を下げる。
「お願いします。どうかウィングヒーロー ホークスを助けてください」
はたしてこの切なる願いは聞き入れられるのか……
「先に裏切ったのはそっちだろ!なんで俺達がそんなことしなくちゃならない!?」
「負けたらどうする?今度は海外避難か!?」
「儂らを守るんが仕事のはずやろ!アンタらなんばしよっと!?」
一度燃え始めた怒りの炎はたった1人の言葉では消えなかった。
白失では押し留めようもなく、人々の糾弾の声は大きくなるばかり。
「公安の人だか何だか知らないけど、あなたは気味が悪いわ。ずっと無表情でそれが人にものを頼む人間の顔なの?」
返す言葉が見つからなかった……
表情なんてどうやって変えればいいか分からない。
「何か言ったらどうなんだ!?」
頭を下げたまま黙り込んでいるとそれすら咎められる。
謝罪を言おうにも喉の奥がせき止められたような感覚がして声が出せない。
「話にならん!!」
「自分達の都合だけ押しつけて虫が良すぎると思わないの!?」
そう吐き捨てて次へ次へと人が去っていった。