第5章 それは瞬く星のように
「ホークスが敵の命を奪ったのは変えようのない真実です。ですが、それはこれまでのホークスの活動を否定するものではありません」
「敵が言ってたホークスの出自は?なぜ隠していたの?私達を騙していたってことでしょう!?」
「それは……」
返答に詰まる。
白失も知らなかった彼の出自。
でももし最初から親の素性を明かしていたら?
きっと世間はホークスがヒーローになることに反対しただろう。
どうしたって彼のヒーローとしての能力より身内に敵がいたことを気にする。
“ヒーローは清廉潔白でなければならない”
大人も子供もそういうヒーロー像に憧れるのだ。
そこから少しでも外れたら、たとえその要因が本人に起因しないことだとしても許さない。
「出自を隠していたことは申し訳ございません。騙していたと受け取られても致し方ありません。ですが、人は親を選ぶことができません」
運命の巡り合わせで犯罪者の親の元に生まれた子は他の子と同じようにヒーローに憧れてはいけない。
将来ヒーローになることを夢見てはいけない。
ついこの前までの自分が信じるしかなかった暗黙の了解。
けれど、ホークスが打ち破ってくれた。