第11章 ・東京
少し歩くと、アミューズメントセンターに到着した。
扉を開けた瞬間、眩い光と電子音が彼等を包み込む。
そこには、ありとあらゆるアーケードゲームや家庭用据え置きゲーム、クレーンゲームが並び、人間も魔神も入り混じって笑い合っている。
ゾロには、それが奇妙な祭りの様に見えた。
「おい、ゾロ。お前の世界にゃ、こんなゲームとかもねえのかよ」
「ねえよ……初めて見た。あー、でも、未来島って所には、あるかも知れねえな。チラッと話で聞いただけで、行った事はねえけど」
ゾロは煌めくライトの天井を見上げながら、そう答えた。
彼の世界では滅多に見られない、派手な電飾と電子音。
やはり今一つ落ち着かないのか、ゾロは少し不機嫌そうな顔をする。
そんな彼に、ロキは訊く。
「お前の世界って、地球より文化とか随分偏ってんだな……その未来島って所だけなんだろ?こう言う……トウキョウみたいな場所はよ」
「ああ、多分ねえと思うぜ……こんなにうるせえ街は、ねえしな」
ロキは肩を竦め、笑った。
「うるせえか……まあ、最初のうちだけだぜ。遊んでりゃ、すぐ慣れるさ」
ゾロは無言のまま、目の前の光景を見渡した。
きらびやかなネオンの下で、楽しそうに笑い合う人々と魔神族達。
(……住めば都、か……)
妙に納得して何時もの様に、ニヤリと笑った。
殺気や血の匂いとは無縁の、明るく何処か無防備な場所。
この場所が余りにも平和過ぎて、何となく、自分には似合わない気がした。
が、そう思ったのも束の間。
「おい、ゾロ。見ろよ、これ!こいつは、銃を撃って敵を倒すゲームだ!!」
ロキが笑いながらモニターを指差す。
そこに目を向けると……戦場を模した映像の中を駆け抜ける、兵士達の姿が見えた。
「……遊びで殺し合いかよ。平和ってのは、本当皮肉なもんだな」
ゾロは腕を組み、スクリーンの光を瞳に映す。
『ガン・シューティング』と呼ばれる類のゲーム。
その横にあるゲームのデモ画面に、ゾロの視線が止まる。
迫り来るゾンビの群れを、次々に撃ち倒して行く映像が流れている。
思わず剣の柄に触れそうになり、その手を止めた。
「真面目だなあ、お前。いいじゃねえか、戦うのが趣味ってヤツも居るんだろ?」