• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第29章 「善意の逆理 Ⅱ**」


唇を離すと、透明な糸がまだ僕とがを細く繋いでいた。


虚空を彷徨っていた瞳がわずかに動いて、僕の顔を捉えた。
でも、目の前にいるのが誰なのかはまだわかっていないみたいだけど。
それでも、反応はあった。
の中で暴れていたものが、かすかに揺らぐ。


(……届いてはいる)


中和できたわけじゃない。
でも、間違いではなさそうだ。


ひとまず息をさせようと、少し身体を引こうとすると。



「……ぁ、やっ……」



が、僕の制服をぎゅっと掴んだ。
熱い吐息を漏らしながら、すがりつくように身を乗り出してくる。
虚ろな瞳のまま、僕の唇を探すように顔を近づけてきた。


(欲しがってる……?)


本能的な反応なのかもしれない。
相手が僕だと認識していなくても。
は今、僕から注ぎ込まれるものを強く求めている。



「……そんなに欲しいの、」



返事はない。
ただ苦しげに、僕の服を引く力が強くなるだけだ。



「いい子だね。……もっとあげる」



自分から迎えにいくように唇を塞いで、何度も深く重ねる。
が欲しがるまま、僕の唾液を飲ませた。


氷みたいに冷え切っていた指先に、微かに温もりが戻ってくる。
僕の服を握りしめていた手が徐々に緩み、強張っていた身体の力が抜けていった。
荒かった呼吸も、徐々にだが落ち着きを取り戻している。


(けど……唾液だと効率が悪いな)


これじゃあ、完全に中和するのにどれだけ時間がかかるか分からない。


(僕の血を直接、輸血する?)


いや、ダメだ。
僕とじゃ、血液型が違うし。
他にもっと確実で……いい方法は……。


頭の中で考えを巡らせていると、ふとの腹部に目が留まった。
僕の眼ががそこに滞る違和感を拾う。


(……臍の周りに、呪力が集まってる)
/ 877ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp