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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第26章 「愛ほど歪んだ呪いはない」


『終わらない苦しみを、還したい方へ』


(還す、か……)


私の「送る」力と、あの不気味な白い花。
諏訪烈という男が、意図的に私の力を模倣して何かを企んでいる。
両手でぎゅっと、自分の二の腕を抱え込んだ。


今も、伊地知さんや新田さんが寝る間も惜しんで、あのサイトのアクセスログや配送先を必死に追ってくれている。
でも、相手の手口が巧妙すぎて、未だに核心には辿り着けていないみたい。


机の上に置いたスマホに、自然と視線が落ちる。


(……先生)


おばあちゃんの家から帰ってきた後、先生は「ちょっと、京都に行ってくるね」と、いつものように笑って出かけていった。


今頃、京都で何をしてるんだろう。
京都ってことは、先生の実家かな。
それとも、京都の高専かも。


ふと、あの日のことを思い出す。
アルバムを一緒に見ていた時。
ある一枚の写真を見た瞬間、先生の纏う空気が、ほんの一瞬だけ変わった気がした。



『……先生? どうしたの?』

『ん? いや、なんでもないよ』



でも、先生はすぐにいつもの顔に戻って、素早く次のページをめくってしまった。
そのまま「あ、の七五三! ほっぺたお餅みたい〜」と、おばあちゃんと話し始めてしまって。
結局、あの時は聞けないままになってしまった。


(先生が見てたの、私とお母さんが退院する日に撮った写真だったよね)


おくるみに包まれた私を抱いて、お母さんが病院の入り口の横で笑っている。
ただ、それだけの写真だったはずなのに。


(何か写ってたのかな……)


まさか、赤ちゃんの頃の私、そんなに変な顔だったとか……?
それだったら、ちょっとショックだけど。
でも、そういう感じじゃなくて。


考えれば考えるほど、胸の奥がざわつく。
その時、ふいに開けた窓から吹き込んだ夜風が、濡れた髪の先を撫でた。


(……まだ乾かしてなかった)


ドライヤーを取り出そうと立ち上がった、その時だった。
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