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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第21章 「可惜夜に眠る 前編」


「そんじゃ、いくぞ!!」



真希さんがボールを高く放り上げた。
そのフォームの綺麗さに、つい見惚れてしまう――と、思ったのも束の間。


ドンッ!!


風を裂く音とともに、砂が舞い上がった。



「……」



ボールが落ちた場所は、コートの白線のわずか数センチ外側。
隕石でも落ちたみたいにクレーターのように抉れていた。



「アウト〜! 一年生チームの得点!」



審判台に座った先生の、能天気な声が響く。


(……あれ、ボールだよね?)


あんなの、人間に当たっていいものじゃない。
当たったら、そのまま砂浜の向こうまで吹き飛ばされそう。
私が知っている「バレーボール」という爽やかなスポーツとは、明らかに種目が違う気がする。


(……もしかして、呪術高専ではこれが『バレー』なの……?)


私だけ、ルールブックが違うのかもしれない。
サバイバル?
これは命がけのサバイバルなの?



「チッ、力が入りすぎたか」



真希さんが舌打ちをする横で、虎杖くんがケラケラ笑いながら砂に埋まったボールを掘り出した。



「っぶねー! 今のアウトで助かったわ!」



虎杖くん、なんで笑ってられるの!?



「あ、あの……伏黒くん……」



私は震えながら、隣の伏黒くんの背中に隠れるようにして聞いた。



「こ、これ……当たったら、私……」

「死ぬな」



伏黒くんは真顔で、サラッと言い放った。



「だから無理に拾うなって言ったろ。はコートの端で、地蔵になってろ」

「じ、地蔵……! はい、私、お地蔵さんになります……!」



私はコクコクと何度も頷いて、コートの隅っこで小さくなった。
ボールが来たら、全力で逃げる。
そう心に誓った。
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