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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第21章 「可惜夜に眠る 前編」


「……それの何が悪いんですか」


 
あっ……伏黒くん、ちょっと怒ってる。
でも、私も似たようなタイプだから、ちょっと肩身が狭い……

 
先生は、にやにや笑いながら畳みかける。

 

「もっとこう、海とか! バーベキューとか! スイカ割りとかさぁ! 若者らしくキャッキャしよ?」

「キャッキャって……」

 

真希さんがこめかみを押さえる。

 

「お前が遊びたいだけだろ」

「しゃけ……」

 

狗巻先輩も同意している様子。

 

「ま、とりあえず詳しいことは、あとでってことで!」

 

そう言って、先生は片手を大きく上に掲げた。

 

「まずはバスに乗って、出発〜!」

「おー! しゅっぱーつ!」

 

虎杖くんだけが元気いっぱいに答えている。
他のメンバーは荷物を担いで、あきれたようにバスへと向かっていく。

 
私も旅行カバンを肩にかけた、そのとき――

 

「、おはよ」

 

振り返ると、先生がすぐ後ろにいた。

 

「……先生」

 

急に、どう声を出せばいいのかわからなくなった。

 
一昨日のことが一気によみがえった。
泣きじゃくって、取り乱して、先生の前でみっともないところまで見せてしまった自分。

 
(……何か、言わなきゃ)

 
でも、その“何か”が、謝罪なのか、言い訳なのか、自分でもはっきりしなかった。


それでも、先生に背を向けたままじゃいけない気がして。
私は、カバンの持ち手を強く握りしめた。



「あの……先生。一昨日は、その……私……」

「はーい、ストップ!」



先生の大きな手が、私の背中をぐいっと押した。



「ほら、乗った乗った! いい席取られちゃうよ?」

「あっ、ちょ……先生っ!?」



強制的にバスの入り口へと押し出される。
振り返ったけど、先生はもう他の皆に喋りかけていた。


(……そっか。そうだよね)

(私がいちばん、話すのを避けてきたのに……)

(今さら、って……思われても仕方ないよね)


拒まれたみたいで、苦しい。
でも同時に、助かった気もしてしまって。
そんな自分が嫌で、唇を噛んだ。



「……先生、私――」



それ以上は言えなかった。
私は黙って、バスに乗り込んだ。
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