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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第19章 「死に咲く花」


《五条悟様、様――》

《まもなく最終搭乗のご案内となります。3番搭乗口までお急ぎください》



突如、場内アナウンスが響いた。


……今、名前呼ばれた?



「――っ、せ、先生、私たち最後みたい……急がないと……っ!」

 

慌てて体を離そうとするが、先生はびくともしない。

 

「……せんせぇ?」

 

不安になって呼びかけると、先生はニコッと笑った。
あ、この顔の先生は大抵ろくなこと言わない。





「、東京帰るのやめてさ。このまま温泉行っちゃおうか?」

「――は、はいっ!?」

 

あまりに突拍子もない提案に、思わず声が裏返る。

 

「うん、決まり」

「ちょ、ちょっと待ってくださいっ、えっ!? 飛行機は!?」

「キャンセル~。僕が言えば大丈夫」 

「言えばって……っ、先生、冗談……ですよね?」

 

あたふたと叫んでも、先生はさっさと手を引いて歩き出す。


(嘘でしょ……っ、ほんとに……?)

(なにこの人……無茶苦茶だ……)


搭乗口のカウンター前で、先生はCAさんに声をかけた。



「すみませーん、僕と彼女、搭乗キャンセルでお願いしまーす」 

「えっ……? お客様、もう最終搭乗が始まっておりまして――」



CAさんが困った顔でマニュアルらしい対応をする。


(だ、だよね……)

(今さらキャンセルなんて、普通に無理だよ……)


私は顔を伏せて、心の中で何度も謝った。


(ほんとに、ごめんなさい……!)


先生は突如わざとらしく大きく息をついた。



「……うーん、困ったなぁ」



そのあと、私の肩に軽く手を添えて、



「彼女、ちょっと熱っぽくてさ?」

「せ、先生……っ」



そして、先生はゆっくりサングラスを外す。
あの蒼い眼差しが、真っ直ぐにCAさんを射抜く。


すると、さっきまで業務モードだったCAさんの表情がみるみる変わっていく。
今、目にハートマーク見えた気がした。気のせい?



「は……はいっ、キャンセルですね。あとはこちらにお任せくださいっ」



完全に、さっきとは違うトーン。
さっきまでの対応、どこいったの!?
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