第17章 「花は蒼に濡れる**」
「んっ、あ、あ……っ、やっ……っ」
声が勝手に漏れる。
奥でぐぐっと押し広げられる感覚に視界の端が揺れる。
「……せんせ……っ、あ……」
名前を呼ぼうとしただけで、声が切れて息が短くなる。
太ももの内側に力が入らず、指先がシーツを掴んで白くなる。
内壁を擦るように、指先がゆっくり上下に動く。
くちゅ、くちゅ、と濡れた音が自分の身体からいやらしく鳴った。
(……なに、これ……中……熱い……っ)
擦れるたび、中がじんじんと痺れていく。
先生の指が形を確かめるように壁の内側をなぞり、少し角度を変えて押し上げた瞬間――
「……っ、ひ……あっ……!」
膝まで力が抜け、腰が浮くような感覚が押し寄せる。
「……ここ、弱いんだ?」
ふっと口角を上げて、くすぶった笑いが喉から滲んでいた。
今度は細かくかき混ぜるように指が動いた。
「や、あ……っ、あ、だめ……っ、そこ……っ」
言葉にならない声がこぼれる。
中がきゅうっと締まって、そこに指が当たるたび、甘い電流みたいなものが全身を駆け上がっていく。
「んー、ほんとはダメじゃないでしょ」
指先は同じ一点をゆっくり、じっくり擦り上げ、時折小さく突き上げる。
(だめ……息ができない……きもち、いい……っ)
痺れるような熱が、じわじわと身体の奥に広がっていく。
さっき無理やり押し戻されたあの感覚が、また這い上がるように戻ってきて……
(止めてほしいのに……止めてほしくない……)
(どんどん……きゅうってなって……)
濡れた音がリズムを刻むたび、中が脈を打って身体がびくびくと震える。
もう何がどうなってるのか分からないのに、ただ先生の指だけが世界の中心みたいに感じられる。
「ここ、両方一緒に触ったら、どうなるんだろうね?」
そんな呟きとともに、わたしの中を探っていた指が少し角度を変えて――
そのまま外側の突起にも、親指がそっと添えられた。
「……っ、ひゃ……ん、んんっ……!」
内と外、二か所を同時に攻められる。
「ここ、触ってるだけで締まる。気持ちいい?」
中の指がゆっくりと動く。
それに連動するように、外の突起が擦れる。