第4章 副隊長、助けてください
ご飯の場所を決めると替えの下着とジャージを持てと言われて準備していると、副隊長は乾いた自身の服に着替えていた。
「今日僕ん家泊まりぃ?まだ一人にさせたない。ここに一人でいるんも嫌やろ?」
確かにあんなことをされた場所だ、副隊長がいなくなったらまた考えて恐怖に震えるだろう。
その言葉に甘えて家を出た。
ご飯を食べ終わると、映画見に行こと手を引かれる。
これって…デート?だよね…。
そう思うと心臓が痛い。
「なんか見たいもんある?」
「あれ?見たいのあったんじゃないですか?」
手を繋ぎながら映画館で見たいのないんやったらそれ見ると彼が指差す先を見ると、ラブストーリーだった。
それに笑顔で頷くと彼は待っとってとチケットを買いに行き、飲み物まで買ってもらってしまった。
ご飯も払わせてもらえなかったのに…。
シアターに向かおうとしていたら女性2人組に話しかけられる。
あなた、モテ過ぎじゃありませんか?
気付いた女性たちがこぞって話しかけてきている。
1人の女性が筋肉触らせてくださいと許可も得ず胸を触ろうとしたので、咄嗟に副隊長の腕を引いてしまった。
「触るんはやめてな?僕の好きな子が妬いてまうから。」
すぐに腕を離して恥ずかしくなり俯く。
すると、1人の女性が夏目隊員じゃない?と呟いたので、周りの人たちも気付いてしまった。
私ってそんな認知度あったの?
なんかみんなが可愛い言い始めた。
彼が何かしたのかと思い顔を上げると、みんな私を見ていて首を傾げる。
その時、男の人に腕を引かれてまじ可愛いと言われた。
「やから、触るんはやめろ言うたやろ。僕ら今デート中やねん。」
気付いた副隊長が私の肩を抱いて引き離す。
「時間ないなってまうから、もう行こや?」
コクっと頷いて飲み物を受け取ると、手を握られてそのままシアターに向かっていく。
キャーという叫び声が聞こえたので、迷惑になっていないだろうか。
「あの、みなさんお世辞上手いですね…。」
お世辞?と首を傾げたので、可愛いと言われたからと返す。
「君、ほんま可愛ええで。気付いとらんの?僕がえろいことするようになってから、余計可愛なった。」
私、別に可愛くないし、えろいことするようになってからってどういうこと…。