第16章 副隊長、告白します
「出てって…うぅ、出てって!うっ、あぅ…。」
心臓がぎゅうと絞られているみたいに苦しい。
「もっ、死んだり、ひっ…しないから、出てって…くっ、うっ…。」
「僕がここにいたいんや。」
何を言っているの?
さっきまでこのちゃんといて、頭を撫でて慰めていたじゃない。
そのままこのちゃんといればよかったじゃん。
また怒りが込み上げてくる。
「っ、最低…くっ、宗四郎は最低だよっ…このちゃんの気持ち、知ってて、うっ…私とのこと、話してたんでしょ?ふっう…このちゃん、可哀想だよ…!」
このちゃんは私と付き合う前に何度か告白したと言っていた。
それなのに宗四郎はこのちゃんに惚気てたんでしょ?
このちゃんだって相当辛かったはずだ。
何も知らずに彼女に相談していた私も最低だ。
「うん、最低やな。もう僕に気持ちはないと思ってたんや。」
言い訳…。
何回も出てってと言うが彼は出ていく気がないらしく、布団の上から私を抱きしめる。
「触らないで。」
触ってへんと意味がわからないことを返されて、限界が来てガバッと起き上がって、彼の背中を押し扉へ追いやる。
「好きや。」
「もう信じられない、うっ…。」
「信じて。言うたやろ?離さへんって。」
先に私を突き放したのはあなたでしょ。
メッセージでさようならって、このちゃんとして…。