第16章 副隊長、告白します
外に出て少し風に当たり、瓦礫の撤去をするみんなの手伝いをする。
何かしていないと泣いてしまいそうだった。
あんなとこで聞く必要なかっただろうが、みんなに知らせたかった。
彼氏に浮気されて、その浮気相手は親友だった、哀れな私を。
本当にバカみたい、何してるんだろう私。
彼氏も親友も失っちゃった。
そのまま撤去作業をしていると暗くなったので、一度副隊長室に戻り鞄等を持った。
無事なとこは無事なんだな…。
どこ行こう…仮眠室でいっか、どうせ明日も早いだろうし。
オペレーションルームの近くを通り過ぎたところで、コソコソと話す宗四郎とこのちゃんを見かけた。
「ほんまにごめんな、凉があないなこと言い出す思わんくて…。」
「いえ、私が悪いですから…。」
「いや、小此木ちゃんは悪あらへんよ。いきなりあそこであんなこと言い出すんが悪い。」
ふーん?全部私が悪いんだ?
このちゃんの頭撫でて…そんな可愛いの?
泣いているこのちゃんを慰めるように頭を優しく撫でている彼を見て、心臓が痛くなった。
もう私には愛想尽きたってか。
付き纏うって言ってたくせに…。
仮眠室に入って横になり、ボーッと天井を見つめる。
顬を通って枕を濡らしていくものには気付かないフリをした。