第16章 副隊長、告白します
目が覚めると、簡易なベッドの上にいた。
宗四郎はどこに…大丈夫なんだろうか。
すぐに起き上がり、腕に刺さった針を引き抜いて彼を探す。
どこにいるの…?
「そしろ…宗四郎っ!」
「凉、こっちや!」
辺りを見渡しながら彼を呼ぶと幾つものベッドの先に微笑む彼がいる。
すぐに駆け寄って抱きついた。
「よかった、よかった…。」
彼は私の背中を優しく撫でながら、はよ着替えてきと言う。
宗四郎はジャージに着替えていた。
そうだ私、怪獣の血が…。
汚してしまうと思いすぐに離れて、彼の身体を見てから自身を見た。
綺麗になっているが、スーツは腰まで下ろされ、上半身は包帯でグルグル巻きになっている。
よかった…宗四郎のこと汚してない。
着替えると言ったって、ロッカールームは大丈夫なんだろうか。
彼は自身のジャージを脱ぎ私の肩に掛けて立ち上がり、綺麗に畳まれたジャージを持って私を連れ出す。
あ、新しいジャージ…。
簡易な更衣室に入るとギュッと抱きしめられた。
「キスしたい。」
私の肩で呟いた彼は顔を上げ、額をくっつけて見つめてくる。
ゆっくり目を閉じて動かずにいると、軽く唇が触れて離れた。
そして彼は目の前でニコッと笑った。
「めっちゃ久しぶりにしたわ。ありがとう。」
恥ずかしくなり彼の胸を押して離れさせ、私と同じように包帯グルグルの彼に掛けてくれたジャージを返して、私用のジャージを受け取り着替える。