第15章 副隊長、基地が大変です
私に近寄ってきた彼はジャージに手を伸ばそうとしたで、私はそれを自身のジャージの上から羽織った。
「えー返してくれへんの?僕、凍えてまう〜。」
凍えるもんか、全然寒くないぞ。
立ち上がって副隊長室に戻ろうと歩き出すと、彼は後をついてきた。
なら、一度武器保管室に行かなければと思い、そのまま行き先を変える。
「返してくれへんのやったら、ぎゅーってしてまうぞ。」
何も答えずに歩いていると、ええんやなと後ろから抱きつかれた。
歩けないじゃないか。
好きやと耳元で甘く囁くとすぐに離れてまた歩き出す。
耳あっつい…心臓痛い。
というか、なんでジャージ取らないんだろ。
っ!?なに!?
いきなり耳たぶ掴まれた。
「赤ぁなっとる。僕にドキドキしてくれたん?嬉しいわぁ、可愛ええ。」
バレてる…。
結局、どんなに口を聞かずにムスッとしてたって、反応で彼が好きだと伝えてしまっている。
たまに好きだと言うけど、それとこれとはなんか違って…口ではいくらでも取り繕えるけど、この反応は私の意思とは関係なく出てしまう。
耳から手が離されいきなり叫び出した彼に驚いて見ると、赤紫に捕らわれた。
「凉のこと、今すぐぐちゃぐちゃにしてまいたい。」
は?何言ってるんだこの人は…。
すぐに目を逸らして武器保管庫への道を急ぐ。
ごめんと謝りながら追いかけてくる彼を無視した。